疲労骨折とシンスプリント

今回は疲労骨折シンスプリントについて。

疲労骨折は、骨の耐久性以下の軽微な外力が繰り返し骨の同部位に生じることによって、骨の一部に亀裂が生じてしまう骨折の子を言います。早期に発見し休養を取ることで治癒しますが、疲労骨折があるまま競技を継続してしまうと完全骨折に至ることもあるため要注意です。

シンスプリントは脛骨(けいこつ)の周りにある骨膜が炎症を起こすスポーツ障害で、脛骨過労性骨膜炎とも呼ばれます。
運動時や運動後にすね内側の中央から下方1/3にかけて、ズキズキとした痛みが生じます。「使いすぎ症候群(オーバーユース)」のひとつで、繰り返しのランニングやジャンプなどを過度に行ったり激しく行った場合に発症しやすい障害です。中/長距離ランナーやサッカー選手に多く見られ、とくにシーズン初期や新人の選手が急激にハードなトレーニングを始めた際に発生しやすくなります。過度の運動量、運動時間、運動内容、日数またはフォームの変更が影響していると考えられます。その他要因としては硬い路面での練習、薄く硬いシューズ(踵の摩耗)の使用、O脚やX脚、回内足や扁平足、脚の筋肉や関節の柔軟性低下などによる影響も考えられます。

走る距離や負荷を減らすと快方に向かう場合もありますが、練習を再開すると再発を繰り返すケースが多いといわれています。ひどくなると安静時にも痛みが出るようになるので、原因となる要因を取り除くことが大切です。症状の程度は、次の通りです。
Stage1:痛みはあるがウォームアップにより消失する
Stage2:ウォームアップにより痛みが消失するが、スポーツ活動終了近くに痛む
Stage3:日常活動に支障はないがスポーツ活動中、常に痛む
Stage4:局所の痛みは常に存在して日常生活にも支障がある 

主にレントゲンやMRIでの診断(検査)が一般的ですが、骨膜の炎症であるためレントゲン上では変化がないことが多いです。MRI画像では脛骨の骨膜に肥厚した高信号変化(白色)が見られる場合があります。最初にレントゲンで変化がみなされなくとも、徐々に骨膜やこつに変化が見られる場合があるとも言われています。

治療方法としては、運動量や運動時間、使用するシューズがきちんと合っているかなど考えられる原因を制限し改善していくことが1番重要です。また、急性期は局所の安静やアイシング(アイスマッサージ)が必要です。

初期の痛みの強い急性期は安静を徹底しますが、局所の安静時期からでも下肢の荷重運動を避け浮力がある分負荷の少ない水泳、荷重のかからないエアロバイク(踵でペダルを踏むようにすることで脛の骨への負担は軽減できる)、脚全体のストレッチングが効果的です。
その後自発痛や歩行時痛が無くなってきた後に、足関節周りのエクササイズ・チューブトレーニングをなど行うことが一般的です。
圧痛が改善したらいよいよ荷重していきます。まずはウォーキングから始め、次に両脚踏み切りジャンプ、軽いランニング、片足でのジャンプ…などと段階的に進んでいきます。

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