前回は、「栄養補給と休養がトレーニングの効果をあげるんですよ!!」という内容の投稿をさせていただきました。その中で、過度な食事制限はNG!と書きましたが、それが影響しての症状の1つとして月経異常があげられます。これはダンサーにも多い症状でもあるため、今回は月経異常やそれに伴いいくつか関連することについて投稿させていただきます!
月経異常は身体的あるいは精神的ストレス過多、体重・体脂肪の減少、ホルモンバランスの乱れなどが影響すると言われています。
特にダンサーは、プロポーションを保つために多くの人が食事制限をしており体重および体脂肪、BMIが著しく低い場合があります。また、プロダンサーを目指す人たちにとっては身体的にも精神的にもストレスを受けやすい状況にあるため月経異常や遅発月経(初めての月経がみられたのが15歳以上)が多くみられるといわれています。
私もこれまでバレエダンサーや新体操選手のトレーニング指導をさせていただきましたが、バレエダンサーよりも新体操選手に月経異常があったことの方が割合として高かったです。
新体操選手は練習頻度が多く、時間も長いことから身体的ストレスは高いようです。また、レギュラーで試合に出れる選手争いや試合での順位争い、競技精度を高めるための個々での葛藤(手具を扱うためより集中力が高まる)、プロポーション維持のためのストレスなど…。精神的ストレスもかなりかかる競技です。全てのスポーツ競技にストレスは掛かると思いますが、私がみて感じた要素として上記が挙げられます。朝から練習し翌日を回ることもあったとか…。そう言った例もあるのです。(流石にもうそういった練習環境は改善している、少なくなっているとは思いますが。)
ちなみに、新体操選手の中で月経が18歳になっても来ていない例や、20歳になっても来ていないと言う例がありました。これはもう病院にかかる必要がある状態です…。初経の遅れだけでなく、月経不順も同様。25〜38日の正常周期に当てはまらなかったり、2〜3ヶ月や半年月経がない例もあります。私も大幅な食事制限をした時、半年や最悪な場合1年月経が来なかったこともあります…。
こういった反応をきちんと危険信号と捉え、改善することがとても大切だと、トレーナー・指導者として、そして人として、女性として、今では感じています。
月経異常の種類は以下の種類があります。
無月経
原発無月経
→18歳になっても初経発来がない
続発無月経
→3ヶ月以上生理が停止している
頻繁月経
→月経周期が24日以内
希発月経
→月経周期が39日以上
不正周期
→25〜38日の正常周期にあてはまらない
月経異常の多くは原因をコントロールできるようにすることで回復するといわれています。最近では薬で改善させたりする例もありますね。しかし、長期的に続発無月経(3ヶ月以上月経が停止した状態)になってしまうと、骨を脆弱化させてしまいます。場合によっては疲労骨折や若くして骨粗鬆症になることもなどもあるそうです。
そのため、月経異常は身体を資本とするダンサー・アスリートにとっては要注意案件ということです。
上記に関連し、女性は月経に伴う経血の損失があるため男性と比較し貧血の割合が高いといわれています。
貧血の中でとくに多いのは、鉄欠乏性貧血という体内の鉄不足によって起こる貧血で、とくに激しい運動をする人は、汗や尿からも鉄を失うことから、貧血になりやすいと言われます。ダンサーや体重・プロポーション管理を要する競技では、無理な減量や偏食をする人が多いことも多く、貧血の原因となっています。
ですから、貧血だけでなく月経異常の予防策としては、バランスの良い食事を摂ることによって鉄やタンパク質、また、ビタミンCなどのビタミン類を十分に摂取した上で体重・プロポーションのコントロールをすることが重要です。
上記知識を持った上で、自分の身体をコントロールしましょうね!!!
ダンサーなら知っておきたい「トレーニング」のこと 参照
著:水村真由美(大修館書店)
越野立夫・武藤芳照・定本朋子編
「女性のスポーツ医学」南江堂参照