肉離れ

「肉離れ」

スポーツをしている方は経験したことがある方も多いかと思います。
昔、肉離れを「meat goodbye」と表現している人がいました。懐かしい!私もそうやって使ったことあります(笑)
正しい英語に訳すと「muscle strainあるいはmuscle strain injury」と言われていて、筋肉の伸張性損傷を意味しているそうです。

主にサッカーやアメフト・ラグビーなどの瞬発力を必要とするスポーツ競技においておきやすいスポーツ障害で、筋肉が急激に収縮したり、強く引き伸ばされることによって起きる障害です。特に筋肉が引き伸ばされた際(=伸張性収縮・エキセントリック収縮)に起きやすいと言われています。 また、成長期では伸張性収縮時の肉離れで筋・腱付着部も伸張させられることによって列離(剥離)骨折が起きることもあると言われているため要注意です。

上記に記載したスポーツ競技はコンタクトスポーツですが、受傷起点はダッシュをしている・しはじめた際、ステップで切り返しをした際など自らの動作中に発生したものがほとんどだそうです。(263例中82%)

また、肉離れは多関節筋(二関節筋)に起きやすく、1番多いのがハムストリングス、次いで下腿三頭筋(特に腓腹筋の内側頭)、そして大腿四頭筋(特に二関節筋である大腿直筋)です。

肉離れは筋肉の一部が断裂した状態で、断裂した部分の圧痛や疼痛・動作時痛が起きます。断裂した筋繊維が多いと、内出血が見られたり断裂部の陥凹を触れることもあります。

肉離れは損傷度を簡易的に分類することができるため、以下を参考にしていただけるといいかと思います。

大腿四頭筋
Ⅰ度(軽度):うつ伏せに寝て膝を90度以上曲げられる
Ⅱ度(中度):うつ伏せに寝て膝を45度~90度位までなら曲げられる
Ⅲ度(重度):うつ伏せに寝て膝を45度までしか曲げられない

ハムストリングス
Ⅰ度(軽度):仰向けに寝て膝をまっすぐ伸ばした状態で脚を70度位までなら上げられる
Ⅱ度(中度):仰向けに寝て膝をまっすぐ伸ばした状態で脚を30度~70度位までなら上げられる
Ⅲ度(重度):仰向けに寝て膝をまっすぐ伸ばした状態で脚を30度位までしか上がらない

下腿三頭筋
Ⅰ度(軽度):アキレス腱ストレッチにて若干の痛みがある程度
Ⅱ度(中度):アキレス腱ストレッチにて強い痛みがあるが、膝を曲げた状態で行うと痛みが弱くなる。つま先立ちができる。
Ⅲ度(重度):アキレス腱ストレッチにて、膝を曲げた状態でも軽く伸ばしただけで強い痛みがある。つま先立ちができない。

主な治療方法に関して、損傷の度合関係なしに初期はRICE処置が基本です。受傷後48~72時間経過後の炎症症状軽減後は、積極的に患部を温め血液循環をスムーズにし、損傷部位の回復を促すようにします。また、回復スピードや痛みの度合いなどを確認しながらストレッチングや軽いトレーニングを実施し、徐々に自体重をかけたトレーニングや負荷をかけたトレーニングを実施しスポーツ復帰を目指していきます。

スポーツにおいてもバレエなどダンスにおいても瞬発的な動きを必要としている競技においては起きうる可能性のあるスポーツ障害です。是非、参考にしてください!

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