ピルエットで身体が傾く…。

ピルエットで沢山回転しようとすると身体が傾いてしまって回りきれないこと、ありますよね。 よく私が先生にアドバイスされていたのは、「プリエをしっかり踏み込むこと」「アームスが開いてしまい身体(軸)がばらけてしまうこと」…でした。
皆さんは、いかがでしょうか?

今回、それらに影響している部位はどこなのかを研究した論文を見つけました!

【研究内容】
プロのダンサーの2回転と3回転のピルエットにおける身体各部の動きの個人間のばらつきと身体の揺れとの関係

【研究対象者】
コンクールにて上位入賞経験をもつソリスト以上のプロ女性クラシックバレエダンサー13人

【研究方法】
2回転および3回転のピルエット(右回転)を実施している対象者の動作を3次元動作解析システムカメラ(Qualisys , 250 Hz , 12台)を用いてとらえ、得られた3次元座標データから身体各部の方向角の平均と標準偏差、身体の揺れの指標として身体の傾き角などを算出。

【研究結果】
<変動少>
・2回転と3回転のピルエットでは、下腿、大腿、体幹の方向角のばらつきが小さかったことから、これらの部分の動作には、共通性が高いと考えられた。
<変動多>
・回転中のダンサーの身体の傾きとばらつき(標準偏差)が大きく共通性の低い身体各部分の変動をみると、準備局面における足と回転局面における右前腕および上腕が身体の傾き角に影響しているようであった。

【まとめ】
習得が難しいとされる3回転のピルエットでは、左の下腿、大腿、体幹よりも左の足および右の前腕、上腕にダンサー間において動作のばらつきが大きく、これらの部分が身体の傾きに影響をしていると考えられる。

〜左の足について〜
立っている脚は脚でも、変動が多いのは「足」なんですね。 確かに足首は可動も多いですし、ピルエットの動きを思い出してみると、プリエで足関節が背屈(フレックス)したところから一気に底屈(ポイント)にしていくわけなのでかなり可動する閾値が大きいんです。しかも、その動きに伴い内外反(内返し外返し)の動きまでもが影響していくとなるとかなり動揺・変動性があります。 「準備局面での足」とあるので、きっとダンサーの多くは上記の身体の反応を感じ取っている上で、ピルエット前のプリエ段階、踏み込みの際に踏み切る足にかける力を大きくしたり、踏み切る足裏の領域を大きくしたり…自然と意識してコントロールしているのだと思います!

あとは練習あるのみですし、それを自分の感覚にとにかく落とし込んでいくのが必要なんだろう!と思いますが、理論的に読み解いていくと意識できる場所が明確になって面白いですね。

〜右の腕について〜
そして、もう1つが腕!(しかも右)なんともピンポイント。 でもすごく理解できます。よく私も意識していた部分です、今もです。 沢山回ろうとするとどうしても回る側の腕を思いっきり開いてしまう。(もっとだと、プリエの段階で身体を反対側に捻って腕に勢いをかけて準備したり)そうすると更に身体が傾いてしまうということはよくあることです。腕はあまり回転で影響しないようにすぐにアン・ダ・バーやアン・オーなどの位置に持ってきキープする。それが大切ですが、勢いをかけてしまうとそこへ腕を持って行くまでに時間がかかってしまい身体がばらけてしまいます。または、腕に力を込めることによって、腕の勢いや力に身体がつられて傾いてしまうことも。

足同様、これもトレーニングですが、すぐに腕をターン時の位置へ持っていく練習が必要。また、私的にはどの軌道でいけばその位置へスムーズに持っていけるのかを考えて練習すると、更に早くコツを掴めるのかなと思います。(何事も頭を使いつつ賢く練習あるのみですね!)

「バレエはポジションが沢山細やかに決められているものがほとんどなので、そこをきちんと通ってアームスを通るなど意識することが大切」だと、先月受講したレッスンの中でお伝えいただきました。それとともに身体の大きさや体型には個人差があるので、自分自身でどうスムーズに且つ綺麗にアームスを動かせるのかを研究しながら練習するといいんだな!と感じました。

インプット→アウトプット→修正→アウトプット…の繰り返しですが、やみくもに練習するのではなく理論や身体の構造、動きのイメージをしっかり持った上で練習できればより効率よく1つ1つのパの質が向上するはず!!!

賢く楽しく、自分自身も研究・トライ&エラーだ!と思いながら練習できるといいですね♪

-Ballet