バレエと外反母趾

「外反母趾」といえが、皆さん1度は聞いたことがあると思います。

外反母趾とは足の親指の付け根の骨が飛び出ている状態のことを言います。 詳しく言えば足の親指(母趾)の第一中足骨は内側へ開き、第一中節骨や第一末節骨は外側へ向いている状態です。くの字に折れ曲がっている部分が突出している状態が外反母趾です。
【以下図を参照】

これにより、筋肉や骨・軟部組織に負担がかかり痛みがおきます。または、靴など履き物に突出部分があたって痛みが起きる場合もあります。これらは足(足部)の歪みだけが影響している訳ではありません。足だけでなくその他様々な身体の歪みや使い方の癖から起こることがほとんどです。特に、それら歪みによる足裏の接地部分の偏りや足裏アーチの崩れが影響します。今回はアーチに関してのお話のみにしましょう!

***

足裏のアーチは、3つのアーチで構成されています。 「横アーチ・内側縦アーチ・外側縦アーチ」です。
【以下図を参照】


また、以下の図のように線を結ぶ3点に荷重するということも重要です。
【以下、足裏接地3点の図】


普段立っている姿勢や、バレエのシーンだとア・テール(足裏を床についている状態)での接地が理想となります。これらが偏っているとアーチが崩れやすくなるためです。特に内側縦アーチが潰れた状態になると外反母趾にもなりやすくなります。(無理やりターンアウトで立とうとするとなりやすい。)

ルルベでは3点ではなく2点に荷重することになりますが、ルルベでも内側の1点に荷重が偏ると同じように外反母趾になりやすい状態になります。

そもそも、1点に荷重するよりも2点で荷重したほうが安定しますよね? ア・テールでも同様。2点よりは3点の方が安定するはず。

無理にあちこちを捻り、捻りの連鎖で無理やり身体を支えるのではなく、正しいポジションをできる範囲で取ること・それを維持・向上(改善)させていくためのトレーニングやケアを行うことが大切です。

小さい頃からバレエを習っている子が多くいる中で、なるべく早い時期からこれらに気をつけてレッスンを受けることを心がける(声をかける)だけで外反母趾やその痛みは予防することができます。トゥシューズを履くようになれば、更に圧迫・固定された履き物を履きながら踊ることになります。

早めの意識を心がけ、自分の身体(足)を大切にしましょう!

※「バレリーナのヘルスケア(新書館)」参照
著:蘆田ひろみ

-Ballet